「チヌは頭がいいからねー。用心深いんだよ」
「ほうほう」
「その点、フグなんちゃ警戒心なきに等しいね」
「ふむふむ」
「魚もね。一本の細い釣り糸を通して「こいつはどんな人間か」ってわかって釣られるんだと思うんだよね」
「なるほど」
「釣った人間と、釣られた魚は似てるんだよ」
「・・・ぐぐぐっっ・・・ぐーふー」
平安の昔から、地域の海を治め護る神社。
その宮司との先日の会話。
たしかに・・・アジの日も、キスの日も、カサゴもメバルもグレの日も。
雨の日も風の日も、高波の日だって私の前には必ず
ぐーふー。
あなたに会って、私ははじめて裏切らない優しさを知りました。
あなたの手応えわかります。
そして、この歳になって、なんでも食いついちゃいかんのだよ。と知りました。